デフレ、スタグフレーション、短期と長期の違い、全部答えます。
マクドナルドの朝マック値下げと、日本のデフレについての記事に、賛否両論のコメントがついていますので、その点について、詳しく書きます。
■現状の動き
まず、現状ですが、デフレです。
デフレで賃金が半分や、3分の一になった人が続出し、それが、ほとんどそのままなためです。
賃金が、倍になるとか、3倍にならないと、以前のようには、戻りません。
それは、そう簡単なことではありません。
購買力・個人消費の力はなく、雇用は、余剰です。
■長期的な見通し
一方、長期の景気循環は、デフレの最終局面に来ています。
しかし、日銀の金融政策がまずいため、日本は、良くない状態にあるのです。
これは、日銀の金利=マイナス0.1%が、ECB欧州中央銀行の中銀預金金利=マイナス0.4%と比べて、明らかに、引き締め的(=金利が高い)であるためです。
日本の金利は、デフレとの比較では、実は、高すぎるため、デフレは回復しないのです。
一時的に、株を買い上げても、「気温自体」が、寒いままなので、すぐに元に戻るのです。
しかし、70年周期のコンドラチェフサイクルでは、そろそろ逆転の時期に来ています。
つまり、1990年のバブルが弾けたのと逆で、現状は、流動性の欠乏が極限状態まで続き、何らかの「暴発」で、それが逆流(景気の上昇反転)しようという時期です。
1990年にバブル崩壊で、過剰流動性が、一気に反転したのと、まさに逆の動きですね。
突然良くなるものの、きっかけが戦争とか、そういう状況の後に、良くなることも、あり得るわけです。
詳しくは、コンドラチェフサイクル↓で。
https://peraichi.com/landing_pages/view/kondratieff
■スタグフレーションについて
先進国の場合、スタグフレーションは、長く続きません。
つまり、景気が悪くなって、しだいに物価も下がってくるか、逆に、物価の上昇に時間差を置いて、景気が良くなり始めて、賃金や個人消費が上昇傾向になります。
どちらかの方向に、サヤ寄せされるわけです。
今回は、長期的には、良くなる方向に、動いてくるはずです。
最初:物価上がる+景気悪い、後は:物価上がる+景気良い、長期的には、こうなるはずです。
※これは、今回のサイクルの場合であって、違うサイクルの場合は、物価下がる+景気悪い、という方に、サヤ寄せされる場合もあります。
■デフレを「過小評価」しては、いけない
デフレで、買い物がしやすい方が、よいという意見も散見されますが、これは、大きな問題を抱えています。
デフレの時代には、賃金が半分とか、3分の一に下落するのが、最大の問題です。
しかし、消費物資は、すべてが、そこまで下落しないのです。
下がっても、1割安とか、2割安とか。電気ガス代、家賃とかもですね。
これは、考えてみればわかりますが、すべて同じ割合で、下落すれば、デノミと一緒で、生活に直接困ることはありません。
賃金の下落に合わせて、電気ガス代も半分に、家賃も半分、食費も半分になれば、それほど苦しくはありません。
しかし、問題は、賃金の下落幅ほどには、その他の支出が、減らないのです。
ですから、デフレの時代には、生活苦の国民が、一挙に増えることになります。
インフレの時代は、消費物資が値上がりしますが、賃金も、徐々に上昇しますから、デフレほどに、極端に苦しいことにはなりません。
消費物資の値上がりで、1割、2割苦しくなっても、賃金が半分とか、3分の一になるというような、極端な賃金の落ち込みはなく、カネまわりが良いので、解雇も少なくなります。
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